盆栽園巡り&体験、料亭でうどん、道の駅ショッピング...
世界の旅行トレンド高松市!モニターバスツアーをリポート

コロナ禍で旅のカタチが大きく変化する中、世界のツーリストが熱い視線を注ぐ旅行地、高松市。世界最大規模の旅行予約サイト「Booking.com」の2020年に訪れるべき目的地TOP10では、なんと日本で唯一ランクイン!世界で利用される旅行比較サイト「Skyscanner」でも、アジア太平洋地域2020年注目すべき新興目的地に、日本で高松市だけが選ばれました。
高松市は、海も山もあり、伝統文化、アート、グルメも満載。宿泊施設が充実していることや、アクセスしやすい立地も高ポイント。安心、安全で有意義な時間が過ごせる、今や旅のトップトレンドなのです。

「高松盆栽」も、注目される要素の一つ。日本一の松盆栽の産地には、盆栽園が点在し、松畑が広がります。こののどかな景色をひと目見ようと、国内外を問わず多くの人が訪れているのです。盆栽園巡りや苔玉作り体験などのニーズも右肩上がり。

このような機運をさらに盛り上げようと、JA香川県と高松市は、旅行会社や観光関係団体向けにモニターバスツアーを開催しました。地元を知り尽くす両者の“推しスポット”をPR。その一日をレポートします。

自分で作るから愛着はひとしお 「高松盆栽の郷(さと)」で苔玉作り

高松市の鬼無・国分寺地区は、全国シェア8割を誇る松盆栽の産地。約60軒の生産者が黒松や五葉松、錦松などを育てています。五色台の山々を背景に、鉢上げ前の松がずらりと植えられた畑があちらこちら広がり、のんびり散策するのも人気です。
その観光の拠点にしたいのが、令和2年にオープンしたJA香川県「高松盆栽の郷」。約5200平方メートルに約1万点の盆栽を展示するほか、盆栽教室なども開かれています。ファミリーや友人同士はもちろん、一人旅で訪れる人も多いです。

この日のモニターバスツアー参加者9人は、早速、苔玉作りを体験。まず、好きな植物を選びますが、桜だけでも阿波雅、啓翁桜、十月桜…と種類豊富。四万十猫柳、クチナシ、三河黒松などもあり、選ぶのが楽しそう。ポット苗を一つずつ選んで席に着きます。
職員の指導のもと、苗木をポットから出したら、化土(けと)をちぎって少しずつ根元に付け、丸い形に整えて、木綿糸でしっかり巻いていきます。化土はやわらかく、なかなか難しいようで、しばし没頭。その間も、「根を少し刺激すると元気になるんですよ」「管理次第で雑木は50年、松は300~400年育てられます」など、豆知識を教わりながら作業します。

指導者からは、時おり盆栽ジョークが飛び出し、当初緊張した面持ちだったみなさんもすっかり打ち解けた雰囲気に。
完成した苔玉は、もちろん持って帰ることができます。水やりなど世話の仕方も教わり、大人の知識欲も満たされた様子。
施設見学では、盆栽の種類や鑑賞の仕方なども学びました。

高松盆栽の郷(さと)

高松盆栽の郷(さと)
住所
香川県高松市国分寺町国分353-1
TEL
087-874-2795
URL
https://takamatsu-bonsai.com/
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生産者と触れ合ってほっこり 「はるちゃん盆栽」と「神高松寿園」

一行は、マイクロバスに乗って国分寺地区の「はるちゃん盆栽」へ。3代目の岡田利幸さんご夫妻がステキな笑顔で迎えてくれます。

こちらは、小品盆栽では県内屈指の品ぞろえ。園内には、黒松、真柏、錦松、楓(かえで)、うめもどき、海棠桜(かいどうさくら)、グミ、姫リンゴ、柿、バラ、姫オリーブ、紫式部…とさまざまな小品盆栽が所狭しと並んでいます。小品盆栽は、その名の通り小さめのかわいいサイズですが、樹齢は高く、よく見ると芸術的な枝ぶり。技術の高さや膨大な手間ひまがうかがえます。
もちろん、松盆栽もたくさん。「こちらが正面で、奥の枝で奥行きを表現しているんですよね」「さっき、高松盆栽の郷でレクチャーを受けたから、見方が分かって楽しい」など会話も弾みます。
奥様にお茶を入れていただいて、なんだかほっこり。お二人に見送ってもらい、名残を惜しみながら出発しました。

はるちゃん盆栽

はるちゃん盆栽
住所
香川県高松市国分寺町新居1909-2
TEL
087-874-0361
URL
http://www.haruchanbonsai.jp
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続いて、鬼無地区の盆栽通り、いわば盆栽のメインストリートにある「神高松寿園」へ。4代目園主・神高恵二さんがまず案内してくれたのは、名品を集めた展示場「瑞宝殿(ずいほうでん)」。1975年、2代目の故・与一さんが、盆栽振興功労で勲六等瑞宝章を受けた記念に造った展示スペースです。門かぶりの立派な松をくぐり、足を踏み入れると、大隈重信候遺愛の黒松、国風展に出品した松…と樹齢200年を超える鉢がずらりと並んでいて圧倒されます。

こちらの盆栽園には、名物がもう一つ。それは、地面をはうように、下枝を4m以上の長さに仕立てた「土俵入りの松」。その姿は、確かに関取のように雄大で品格が漂っていますね。参加者のみなさん、カメラを向けますが、全景をおさめるのに苦心するほどの大きさでした。

神高松寿園

神高松寿園
住所
香川県高松市鬼無町山口418-3
TEL
087-881-3812

讃岐うどんを料亭アレンジで堪能 老舗料亭「二蝶」の「会席うどんコース」

快晴の空の下、盆栽の魅力を満喫し、お腹を空かせた一行に、お待ちかねのランチタイム。支店経済都市として発展した高松市には美食が満載。多彩な食文化を楽しめます。
※全国規模で展開する企業の支社、支店、地域の子会社が集中する都市のこと

その最たる名店が老舗料亭「二蝶」。昭和21年創業、数寄屋風作りの建物の一部は、国の登録有形文化財に指定されています。旬の素材を吟味し、伝統の技で仕上げる本格的な日本料理と、格式の中にもあたたかみのあるもてなし。そんな一流の美味やサービスを、ランチなら手ごろに楽しめるのがうれしいですね。今回は、趣のあるお部屋で、「会席うどんコース」をいただきます。

先付けは、赤貝とミル貝、菜花のみぞれ和え。
懐石の椀物に見立てたかけうどんは、丁寧に引いた出汁に細めの麺を合わせ、お揚げとスダチでシンプルに味わいます。

鰆(さわら)のこと。女将が鰆にまつわる香川の風習などを披露し、味わいはさらに格別なものに。添えられた香川の郷土料理、しょう油豆は女将の手づくりだそうです。
ここで太めの麺を使用したざるうどんが登場。海老、鯛、シイタケの天ぷらも、上品なおいしさ。
コースの中で、2種のうどんを趣向を変えて味わえるとは…。日ごろからうどんに親しんでいる香川県民にとっても貴重な体験です。
ちなみに、本日のうどんは、坂出市の人気店、日の出製麺の麺だそう。

デザートのブランマンジェまで、幸せなひと時を満喫しました。

参加者のみなさんも絶賛!
「料理のコンセプト、和服でのお接待、手入れの行き届いた庭、どれをとっても最高。街中にこんな歴史ある料亭があって感動しました」(県外のバス会社の担当者)。
「こういう雰囲気の中だからか、うどんの味がワンランクアップしたよう」(県内の観光関係団体職員)
「だしの香りがすごい。女将さんから料理のエピソードを聞けて理解がより深まった」(県内の観光関係団体職員)

県外の人は、高松市の中心部にこんな趣きのある空間があることに驚き、県内の人は、うどんの新たな魅力を再発見した様子。
なごやかなランチの最中、女将も交え、参加者の間で新しい旅行企画商品が想像できるような、楽しい情報交換もされていました。

老舗料亭「二蝶」

老舗料亭「二蝶」
住所
香川県高松市百間町7−7
TEL
0120-860-220
URL
https://www.2chou.jp/
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高松市イチオシの新スポット 屋島山上交流拠点施設「やしまーる」

次の目的地は、2022年8月、瀬戸内国際芸術祭の夏会期初日にオープンした「やしまーる」。自然と溶け込むように、丘陵を利用した建築で、屋根瓦は3万枚の庵治石で作られています。ぐるっと1周できる200mほどの回廊型の建物の中には、瀬戸内海の多島美や市街地を一望する展望スペースや、源平合戦をテーマとしたパノラマアート作品、おしゃれなカフェやショップなどが配置されています。

カフェでは、「やしまーるブレンドコーヒー」や「やしまのはちみつレモネード」など、オリジナルドリンクがおすすめ。ショップには、庵治石のブックエンドやフラワーベースなどお土産にぴったりのお菓子も並びます。
見晴らしを楽しんだり、買い物をしたり、お茶したり…参加者らは思い思いに散策を楽しんでいました。

屋島山上交流拠点施設「やしまーる」

屋島山上交流拠点施設「やしまーる」
住所
香川県高松市 屋島屋島東町1784−6
TEL
087-802-8466
URL
https://www.yashima-navi.jp/jp/yashimaru/
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団体旅行の食事場所に最適、お弁当も注文できる 御料理 綾瀬

続いて、少し郊外へ足を延ばしてみましょう。高松市中心部から車で30分ほど、綾歌郡綾川町にある「御料理 綾瀬」は、香川県のほぼ真ん中に位置。高松空港約20分という好アクセスで、団体客を受け入れる広い部屋や駐車場などを備え、バスツアーやインバウンドの食事場所として重宝されています。大人数の仕出し料理にも対応。高台にあって、讃岐山脈を一望する眺望は、外国人に大変喜ばれるそうです。
参加者らは、「大型バスの侵入経路は?」「お弁当の予算は?」など、興味深げに質問していました。

御料理 綾瀬

御料理 綾瀬
住所
香川県綾歌郡綾川町陶2185-1
TEL
0120-382-558
URL
https://oryouri-ayase.com/
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道の駅にあるJA香川県ファーマーズマーケット 「讃さん広場 滝宮店」でお買い物

ツアーの締めくくりは、JA香川県ファーマーズマーケット「讃さん広場 滝宮店」。2021年、「道の駅滝宮」のグランドオープンと同時に県内で2店舗目のファーマーズとして開店。県内全域から農産物が集結し、観光客はもちろん、地元住民からも絶大な支持を誇ります。
野菜や生鮮食品が豊富に並びお惣菜も種類が豊富。夕飯の買い物をしたり、「讃さんジェラート」で手づくりジェラート(地元産素材を使用。口の中で甘さが残らずすっきり。まさに果物そのもの!!)を食べたり、道の駅のショップでお土産を探したり…と参加者らはフリータイムをエンジョイしていました。

讃さん広場 滝宮店

讃さん広場 滝宮店
住所
香川県綾歌郡綾川町滝宮1578
TEL
087-876-6333
URL
https://www.kw-ja.or.jp/shop/shop-8280/
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「高松盆栽の郷」で解散
お疲れ様でしたー!

マイクロバスは、再びJA香川県「高松盆栽の郷」へ。一日いろいろ巡ってお疲れのところですが、記念撮影はみなさん良い笑顔でパチリ。

モニターバスツアーはいかがでしたか?
「盆栽は年配の人のイメージがあったのですが、ファミリーも楽しめることが分かりました。若い人にも案内したい!」。
「仕事でバスツアーを企画しています。苔玉作りや料亭でのうどんは、香川県に何度も来ている人に対しても魅力だと思いました。早速企画します!」。
「盆栽の生産者のところにもバスが入れることを確認できたのが良かったです」。
「昼食の雰囲気がとっても良かった。ツアーに盛り込みたい!」。
「観光協会のみなさんに、イベントや観光の情報を聞けたことも良かった。旅行商品の企画に生かせそうです」。
旅のプロにとっても、想像以上に楽しい一日だったようです!