盆栽の生命線である接ぎ木の技術を引き継ぐ
小西松楽園こにししょうらくえん

種から始まる盆栽づくり

小西松楽園は鬼無エリアの盆栽園のなかでも歴史が古く、明治期に創業しました。広い畑の一面には五葉松や黒松が植えられています。
案内してくれたのは4代目小西康雄こにしやすおさん。卒業後は会社員として働いていましたが、30歳の頃に小西松楽園に戻り、園主で3代目の幸彦ゆきひこさんに盆栽の基礎から学びました。

小西松楽園では黒松を種から育てていて、銀八ッ房ぎんやつふさ、五葉松などの品種は黒松を台木に使い接ぎ木をして盆栽を生産しています。
多くの盆栽園は4年目以降の木を仕入れて盆栽を作っており、種から育てている園は少ないのだそう。康雄さんが盆栽園を継いだときには、すでに接ぎ木の名人と呼ばれる方々は80代や90代。引き継がなければ技術が消えてしまうことに危機感をおぼえ、名人に付いて修業を積みました。
「鬼無・国分寺エリアには60園の盆栽園がありますが、各園が得意な技術を持っていて、1園1園が大事」だと康雄さんは言います。

畑には種から芽を出した1年目の黒松が青々としていました。
「盆栽はここから始まるんですよ」と康雄さん。1年後には個性が現れてきて、五葉松の台木になるものもあれば、黒松として育てられるものあるそう。小さな芽にもそれぞれの盆栽としての人生が待っています。盆栽の価値は1年目の針金かけで決まるといい、まだ小さな木の将来を見極めて形を作っていきます。

海外輸出や交流から盆栽の新しい可能性が生まれる

小西松楽園は3代目幸彦さんの代からドイツやイタリアなどヨーロッパに盆栽を輸出しています。康雄さんは毎年ドイツで開催される、世界各国の植物が集まる園芸展示会にも足を運んでいます。ドイツでは日本の食や伝統文化が浸透しており、盆栽も日本と同じように部屋に飾り親しまれています。日本にはない盆栽の作り方に刺激を受けることも多いそう。

接ぎ木の技術を生かしたブルーベリー栽培

小西松楽園はブルーベリー観光農園も運営しています。ブルーベリー栽培にも盆栽の接ぎ木の技術が生かされています。もともと信州のような寒い地域に生育する品種は、温暖な香川県ではなかなか根づきません。康雄さんは香川県の気候に合う品種の台木に接ぎ木をすることにより、13種類ものブルーベリーを栽培。摘みとり体験や香川県内の菓子店にも提供しています。SNSで話題の珍しい植物の栽培にも挑戦したいと意欲的。
康雄さんは伝統を守りつつ、世界の文化や話題を取り入れて、高松盆栽に新しい風を起こしています。

小西松楽園(こにししょうらくえん)

小西松楽園
住所
香川県高松市鬼無町佐藤217
TEL
087-881-2912

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