挿し木や接ぎ木から育てた黒松盆栽が並ぶ間嶋園ましまえん

一代で築き上げた盆栽園

間嶋園は間嶋猛ましまたけしさんが23歳の1971年に、本家から分家し開園しました。
本家から黒松や錦松の盆栽を受け継ぎましたが、棚場にある盆栽の多くは間嶋さんが苗から作り上げてきたものです。

最近は台湾やヨーロッパなど海外のお客様が増えています。お客様のご要望に応じて、盆栽園同士が紹介し合うことも多いと言います。以前は黒松の大きな盆栽が好まれていましたが、最近は色んな樹種が求められるようになりました。長寿梅ちょうじゅばいやクチナシなどの花や実を楽しめる樹種も増やしています。

接ぎ木をして2年後から模様を取る

接ぎ木から質のよい黒松「瑞宝ずいほう」を増やしてきた間嶋さん。
接ぎ木はまず黒松の種から台木となる2年生の苗を作ります。台木の根元に増やしたい品種の穂木ほぎを継ぎ、穂木が伸びると台木を切ります。

接ぎ木をして2年後の小さな松の幹にはすでに針金がかけられていました。
「針金をかけることを模様を取るというんです」
自分の思い描く形に作れることが苗木から育てるよい面だと教えてくれました。

毎年の積み重ねが技術につながる

初冬には針金かけの前段の「葉すぐり」の作業をします。葉すぐりとは木の強さを見極めながら葉の量を調整する作業のこと。日当たりや風通しをよくする役割があります。葉の真ん中には「ロウソク」と呼ばれる芽があり、大きい芽のときは葉を多めに取り除き、小さい芽のときには葉を多く残しておきます。
芽の大きさは春に行う「芽切り」と密接に関係しています。芽切りは葉の長さを短くするための盆栽の技法ですが、芽切りをすることにより木は弱まります。芽の大きさで木の強さを見極めながら葉の量を調整していくのです。

昨年はいつごろ、どのぐらい芽を切って、どんな結果だったかをメモに残しておき、それを基に今年の時期や切り方を工夫。毎年の試行錯誤が積み重なり「技術」になります。
「長年盆栽に向き合ってきた人は木がどうしてほしいか話ができる」と間嶋さん。挿し木や接ぎ木から40~50年かけて生長してきた盆栽と日々、対話を積み重ねています。

間嶋園(ましまえん)

間嶋園外観
住所
香川県高松市国分寺町新居2433-2
TEL
087-874-3530

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